10年間背番号11を背負い続けた男よ、さらば!

私は、FA権を行使して国内他球団へ移籍する選手に関して、移籍後は一切応援しないというスタンスの持ち主である。不本意にも戦力外通告されたり、ライオンズがFA選手を獲得した時に人的補償として出ていくことになった選手に関しては、自分の意思で球団を去るわけではないので、引き続き応援したいと思っている。また、外国(主にアメリカ)でプレーする選手に関しては、直接の敵になるわけではないので、動向は気にするし、頑張って欲しいという思いを持つ者だ。


こうしたスタンスで、以下、岸に対する思いを書かせてもらう。


岸孝之が楽天入団会見 「地元に恩返しがしたい」


前日に西武球団へ残留しない旨を伝え、今日、仙台での移籍、入団会見になった岸。振り返れば、9月28日のホーム最終戦、セレモニーを終えてグラウンドを去る時の普段より深々とお辞儀をする姿があった。その時、8割方「来シーズン、ライオンズでプレーすることはないな」と感じていた。同じ感情は、私が普段お付き合いさせていただいている常連ライオンズファンの方々の多くも感じていたようだ。(直接話をしたり、各個人のTwitterへのツイートにて確認)


まぁ、既定路線の結果に落ち着いたということだ。


23日のファン感で西武ファンに最後のあいさつ


どうやら、23日のFAN FESTAには今のところ参加する意向らしい。戦力外や現役引退等で退団し、来季プレーしないということとは違うので、「参加してはいけない」とは思わない。参加するかどうかは岸本人の意思で決めれば良いと思う。


ただし、もし参加するのであれば、その場でやらなければいけないことがあると思う。それは、岸にとってファンから耳の痛いことを言われる可能性があることを覚悟の上で、自らマイクの前に立ち、10年間自分を応援し続けてくれたライオンズファンに対する感謝の気持ち、そして熟慮の上でFA権を行使して楽天球団へ移籍することになったという事実をファンの前で伝えること。ライオンズファンの前にライオンズの選手として最後の勇姿を曝すのであれば、絶対に必要なことだ。


17日に球団職員含めた関係者には挨拶を済ませたようだ。ただ、ファンとしては新聞紙上及び移籍会見など、メディアを通して、残留せずに移籍するという事実を確認しただけだ。もし、ファンに対して姿は見せたのに、挨拶をせずに去るというのであれば、それはファン軽視と言わざるを得ない。FAN FESTAでは様々なイベントが行われるが、イベントでの触れ合いだけでは不十分だと思う。


23日のFAN FESTAには一応行く予定だけど、どういう振る舞いをするのか注視させてもらおうと思う。きちんと挨拶をしてくれた所で、来年からは敵になるわけだから、拍手したりするつもりは毛頭ないけれど。


岸のグッズとして、Tシャツを1枚持っているが、現状では処分しようと思っている。処分せずにとっておくということは、自分が振られた女性と撮った写真を、やがてその女性が他の男性と結婚した後も残しておくようなものだから。例えとしてはよろしくないかもしれないけれど。


23日、岸の口から直接コメントをもらえないようなら、Tシャツは23日のFAN FESTAの場でゴミ箱行きにさせてもらう。


球団も事前発表してしまったからやらないわけには行かなくなったのだろうけど、記念カードやら記念ピンバッジやらを23日に発売するらしい。私は当然ながら買うつもりはない。


西武中村、岸退団に寂しさも「全力で打ちにいく」


来シーズンからは敵になるわけだから、引き続き来年もライオンズでプレーする野手たちは、最低でもこれくらいのコメントは残してもらわないと。おかわり(中村)には、涌井が千葉に移籍した後に攻略したのと同じように、打ち崩して欲しいね。


今後の補強については、外国人補強等を考えていくとのことだけど、まさかこれから動くわけじゃないよな。フロントは岸が残留する可能性があると踏んでいたのかはわからないけど、どんなに遅くても、FA宣言すると言った時点では動いていないと。


主力選手が移籍するから、はい、ではその埋め合わせとなる選手を探しましょうなんていう付け焼刃的な編成をしていては、移籍流出される度にチームが弱体化する。ここ数年のライオンズがまさにそう。以前に比べて編成部が弱体化したと言われても仕方あるまい。


中長期的な視点でチームを眺め、○年後にはこういう選手の移動が起きる可能性がある、では戦力ダウンを極力抑えた形での選手入れ替えをするには、各年度のドラフトや外国人補強等、どのような戦略を取るべきなのか、考えておくべきではないか。主力をあえて外に出し、その穴埋めを生え抜きの若手でスムーズに行うことが出来ているのは、今年10年ぶりに日本一になったファイターズだと思う。見習うべき点はあるのではないだろうか。


まあ、来年に関しては、現状戦力の底上げしかないんじゃないかな。今年全くダメだった20と21、そして2年目のジンクスというかドツボにはまりこんでしまった17の復活、その他先発投手の勝ち星を増やすという感じで。外国人投手の補強?? 戦力になる外国人投手を獲ってこられる担当スカウトなんて、ウチの球団にいたっけ??


さて、再び岸の話に戻りたい。


今までFA権を行使して出て行った選手に対するフロントの対応が問題だった場面を多々見てきた。ただ今回に関しては、「残るのか出るのか早く決めろ」というフロントの本音がスポーツ紙上で踊った点はやや問題があったと思うけれど、引き留めの交渉や、事前提示した来年以降の年俸額(当初は現状維持の2年契約→最終的には4年10億)に関しては問題なかったと思う。やるべきことはやったという印象だ。


4年10億という提示に対して、岸を獲得した側の楽天が4年16億を提示したとスポーツ紙で見た。10年間で103勝、2桁勝利が7度とコンスタントに勝っているようには見えるのだけど、投手としてのタイトルは2014年の最高勝率のみ。シーズン途中で一時離脱することも多いため、15勝以上の大勝ちしたシーズンはない。(最高は2009年と2014年の13勝)


天王山の試合、ここで絶対に勝たなくてはいけない試合で、相手のエースと投げ合った時に、しっかり投げ勝ったという印象もあまりない。(むしろ投げ負けた印象の方が強い)


今で言えばファイターズの大谷、数年前で言うとマー君ダルビッシュのような圧倒的な存在感で、先発させればまず負けることはないと思わせられるようなレベルなら、楽天球団の提示額は相応だと思うけど、岸に対する提示額としては高すぎるし、西武球団の提示額が妥当かなと思う。


岸本人は、故郷である仙台で成長した姿を見せたいと言っているようで、それは確かにその通りだと思うし、気持ちはよくわかる。ただ、現所属球団と移籍先との提示額がこれほど離れていると、どうしてもそちらの面で気持ちが傾いてしまったのではないかという思いが拭いきれない。


ライオンズを出ていくことが決まった以上、もう追いかけても仕方ない。来シーズンからはライオンズにとっての敵となる。来シーズン以降、対戦する機会があれば、マウンドで立ち上がれなくなるくらいにボッコボコ、けちょんけちょんに打って走って点を取りまくる。これが10年間ライオンズで投げ続けてくれた岸に対しての恩返しだろう。


背番号11が空くことになった。少なくとも来シーズンに関しては空き番号にしておいてもらいたい。くれぐれも1並びの縁起のいい数字だと言って、ドラフト1位くんにいきなり付けさせることのないように。(もし付けさせることがあれば、フロントに大喝!!)


23日のFAN FESTA、イベントの事前抽選にことごとく外れてしまったので、行く気がだいぶ薄れてしまっている。夜はお世話になっている大勢の常連ファンたちとの飲み会があるから、遅出で行こうかな。


最後のハイタッチは、FA残留してくれたクリちゃん(栗山)一択と思っていたけど、戦力外→育成契約になった同級生の木村昇吾にも頑張ってもらいたいから、2人のうちのどちらかとハイタッチできれば・・・。一声掛けてあげたいからね。


〜〜〜〜〜(番外編)〜〜〜〜〜


岸のイーグルス戦の球場別投球成績(2007〜2016シーズントータル)


西武プリンスドーム 17試合7勝4敗 防御率4.78
仙台        15試合5勝5敗1S 防御率3.45
その他球場     3試合3勝   防御率0.00
(甲子園、秋田こまち、県営大宮各1試合)


ちなみに仙台では入団後3年間勝てず、仙台での初勝利は2010年6月22日。


2016シーズン、仙台での登板機会なし。2015年は2試合で先発も0勝1敗。仙台での最後の勝利は2014年8月3日。