今年の全国大学ラグビー選手権セカンドステージの最終戦。この会場に行ってきました。


昔配属されていた職場がこの競技場の近くにあり、イベントで使うテントをここに借りに来たことはあったのですが、スタンドに入るのは初めて。


10時半過ぎに着いたのですが、メインの入口だけでなく、バックスタンド側の入場列もかなり長く出来ていて、一般入場の開門時刻(11時)が10分早まりました。
(最近は西武ドームですら早まることはほぼないのに・・・)


バックスタンドへ入場後、メインスタンドから見てセンターラインよりやや右寄りの前列に場所をとり、場内を散策。






陸上競技場なので、秩父宮や熊谷のようなラグビー場と違ってピッチまで少し距離があるのですが、スタンドがやや急傾斜なため、駒沢(陸上競技場)などに比べてピッチまで意外に近く感じました。


まずは第1試合(明治大学vs.筑波大学)。Cグループの準決勝進出チームを決める直接対決。


9月の試合では、明治が41-21で筑波に勝ったものの、当時の筑波は怪我人続出で、今日のメンバーとはだいぶ異なるメンバーだった。山沢以外はほぼフルメンバーの筑波なら、3か月前とは全然違う試合をすると思っていたが・・・。


FWの圧力が強いはずの明治に対し、筑波のFW陣がしっかりと対処。FW戦で互角に戦えれば、BKの個々の突破力が光る筑波の展開に。


前半7分に筑波が先制。14分に明治が中央を抜け出してT&Gで同点に追いつくも、前半20分以降は筑波が攻める時間が多くなり、得点を重ねて完全な筑波ペースに。前半30分前後に、明治が敵陣ゴール前でFW戦を仕掛け続けたものの得点を加えることはできず。前半終了段階で、


後半も終始筑波のペース。前半に続いてFWは圧力をかけ続け、BKも中央、サイド、場所を問わず攻撃でゲイン出来ていた。


後半だけでいうと、筑波は明治を完封。他の大学ならスタメンでも出られるはずなのにリザーブに入っている竹中が、後半終了間際に右サイドを独走し、ダメ押しのトライを奪ったシーンが象徴的だった。



終わってみたら、予想以上に大差がついた。明治サイドからすれば、風上だった前半で1トライしか奪えなかったのが誤算だったのではないか。


江戸川陸上競技場は収容人員が7,000人とキャパが小さい。おかげで、座席のない所にも観客が・・・。


バックスタンドの最上段も立ち見客が鈴なりになっていました。


やっぱり故障者が戻り、メンバーが揃った時の筑波は強いと感じました。帝京の6連覇を阻止するためのチャレンジャーの1番手といえるレベルである気がします。個々の能力、選手層の厚さとも。


そして、問題の第2試合。流通経済大学vs.慶應義塾大学


慶應はFWがどれだけ耐えられるか、そして流経の2人の留学生をどれだけ止められるかが試合の鍵を握ると思っていました。


前半5分。流経が自陣10mライン付近で反則を犯し、慶應はタッチキック→ラインアウト→FWの攻めで先制トライ。ゴールは外して5−0。前半19分にもほぼ同じような攻撃で2トライ目。ゴール失敗で10−0とリード。さらに前半27分には相手ボールをチャージし、CTB石橋が走りきって3トライ目。ゴールも成功し、17−0とリードを広げた。ここまでは完全に慶應ペースだった。


前半はできれば完封して終えたかったが、No.8のジョージ・リサレにトライを許し、17−7で前半終了。


スクラム。相手ボールの時も、ボールが中に入ってからのプッシュが鋭く、しっかりプレッシャーをかけられていた。


後半。流通経済のFWが前半と違って圧力をかけてきて、モールでもスクラムでも思うようにプレッシャーをかけられない。前半はキックを多用していた攻めが、後半はバックス、しかもリサレが縦への突破を試みられるようなボール回しをしてきた。慶應のディフェンスが徐々に機能しなくなってくる。


そんな中でも、後半12分にCTB川原が50m以上を走りきって、リードを広げるトライを決める。この時点で今日4トライ目、そして24−7と17点リード。普通なら慶應ペースのまま進むはず・・・だった。


しかし、FWの圧力が効かなくなった慶應は、この時間帯から流通経済のゲインを許す場面が増えた。後半18分にWTB合谷にトライを許すと、24分にはリサレに中央を抜け出されてトライ、26分には途中出場のリリダムにも左サイドにトライを決められ、わずか13分の間に17点リードを追いつかれてしまった。同点に追いつかれた時は、完全に流経のペースで、いつ逆転されてもおかしくない状況だった。


その後も流通経済の攻めが続くも、反則でトライにはつながらず。逆に後半36分、ゴールまで30m付近で反則によるチャンスを得た慶應が、きっちりPGを決めて27−24。残りは4分弱。


マイボールを得たら、FWによる攻めを徹底し、ボールをキープし続け、かつ反則を犯さなければ勝利をモノにできる。しかし、残り2分くらいだったか、キックで敵陣に蹴り込み、ノータッチで流経ボールに。一転してピンチになる。


慶應陣右サイドを抜かれそうになるシーンは複数人で何とかディフェンス。後半40分を迎えホーンが鳴ったあとも流経は左右にボールを回して攻撃を試みるもゲインできず。こらえきれなくなった流経は、慶應ディフェンスの背後を狙ってショートキックを蹴るも、蹴った先に流経の選手が追いつけず、慶應がタッチに蹴り出してノーサイド



昨年は最終戦で東海に勝ち、明治の結果待ち。明治が立命館に敗れて、他力で準決勝進出を決めた。今年はグループBで3連勝。自力で準決勝進出を決めた。


昨年は第2戦で明治に負けた時点で準決勝進出は諦めていたので、まさかの逆転でのベスト4進出に涙した。今年は、終戦に勝って準決勝進出→でも泣かなかったというシナリオにしたかったのですが、終わってみたら3点差での辛勝。勝利をモノにするのに苦労しただけに、勝利が決まった瞬間は視界が少しぼやけていた気がします。


第2試合のチームは、第1試合の後半くらいからトラック部分でアップを開始するのですが、こちらが慶應サイドの様子。


流通経済と違ったのは、ベンチには入れずスタンド観戦になる部員がアップをする選手のすぐそばで整列して練習の様子を見つめていること。試合に出場する選手だけでなく、慶應義塾大学蹴球部に所属する部員全員が心を一つにして試合に臨んでいることを感じさせる光景でした。この光景は先週の熊谷でも同じでした。チーム全体としての団結力の差が最終スコアの3点差という所に現れたのかなと、試合後に振り返って思いました。


(他会場の試合結果)
秩父宮
早稲田 10−14 東海
帝京 98−15 法政
【瑞穂】
天理 43−20 朝日
同志社 43−42 立命館
【キンチョウスタ】
京都産業 31−8 中央
関西学院 19−24 大東文化


早稲田が東海に敗れ、まさかのベスト4進出ならず。布巻、小倉が復帰し、藤田もスタメン出場していたにもかかわらず。この10数年相性の良かった慶應とも対抗戦では引き分け。チームとしての力がここ数年の中でも低かったのかなと改めて思いました。


これで準決勝2試合は、第1試合が
筑波大学(グループC1位)vs.東海大学(グループD1位)
第2試合が
帝京大学(グループA1位)vs.慶應義塾大学(グループB1位)


になりました。慶應にとって2年連続で準決勝が帝京戦。厳しい戦いになることはわかっていますが、グループBの他の3チームの魂を背負って出るわけなので、ぶざまな戦いは出来ません。ミスを極力減らし、持っている力を全て出し切れるように、間の5日間で調整してもらいたいです。


セカンドステージを勝ち抜いて、正月越えできて良かった。
まだ2014年版の慶應の試合が見られるから。