全国大学ラグビー選手権大会2ndステージ第1戦@秩父宮ラグビー場



毎年恒例のラグビー大学選手権。慶應はセカンドステージから登場で今日が初戦。相手は同志社大学




先週土曜日に関西大学Aリーグの上位2チーム(同志社大学天理大学)の直接対決があり、大学選手権ではどちらかのチームと同じグループに入ることが確定していたので、テレビで事前チェックしていました。今年は関東大学対抗戦グループの試合をテレビや現地で見ることが多く、帝京、明治あたりに比べると、関西の2チームともパス出し、パス回しのスピードが明らかに遅かったので、前でしっかりディフェンスできれば、恐れることはないと思っていました。しかし・・・


今日の試合、蓋を開けてみると、開始2分で同志社にノーホイッスルトライを奪われたのを皮切りに、前半15分までに怒涛の3トライを許し、いきなり17点を追う展開。一方の慶應は、前半はゴール正面でのPGを1度決めただけで、前半終了時点で3−17。スコアだけ見ると、追いつけない点差ではなかったと思います。


試合全体を通してですが、同志社のFWの圧力が慶應のFWに比べてかなり勝っていました。慶應はマイボールスクラムを何度ターンオーバーされたことか。スクラムを組んで、ボールを入れてから瞬間的に出せないと、同志社の圧力で後ろに下げられてターンオーバーされてしまう。


マイボールスクラムで苦しむわけなので、当然自陣のゴールライン近くでの相手ボールスクラムだとどうなるのかは明らか。象徴的だったのが、前半の2トライ目。慶應の自陣5mでの同志社ボールスクラムからモールで押し込まれてトライを奪われた場面。ここでトライを奪われると、展開的に厳しくなるなとは思っていましたが。


後半、相手より先にトライを奪って追い上げ態勢が整えば良かったのですが、後半1分にハイパントのボールを競りに行った際に危険なプレーがあったということで、WTBの清水がシンビンに。シンビンの間に2T2Gを奪われて3−31の大量ビハインドに。残り30分近くあったのですが、試合の主導権を相手に握られていたことと、慶應の得点能力を考えると、この時点で試合の大勢は決まってしまったと思います。


その後、後半24分にFL廣川が今日の試合チーム初トライを奪うも、すぐにトライを返されて、点差は縮まらず。最後に奪われたトライは、自陣22m内側の中央付近でのラックから近場を抜かれて奪われたもの。左右両サイドにマークの重きを置いていたようで、中央からの抜け出しに対応できず。こういうプレーは、先週の青学戦でもあったような。


慶應は1Tしか奪えなかったのですが、全く攻められていなかったというわけではありません。ボールを前線に運ぶ時に、ボールを持った選手がすぐに倒れてしまい、サポートが来る前に同志社の選手が素早く寄ってきて圧力をかけられて、時にターンオーバーになってしまう。しっかり立ってプレーして欲しかったです。


最終的には、試合前には全く予想しなかった大差での敗戦。




今日の敗戦、しかも同志社に4トライ以上奪われての敗戦ということで、勝ち点は同志社が9、慶應が0となり、勝ち点差は9。来週の第2戦で同志社が筑波に勝ってしまうと、その時点で慶應の3年連続でのファイナルステージ進出の可能性が消えます。慶應はリーグ戦での成績に応じたポイントがないので、各試合で4トライ以上奪って、ボーナスポイントも得た上で勝ち続けることが必要だったのですが、それは叶わず。他力本願での年越しの可能性はありますが、同志社が筑波、大東文化に連敗し、慶應が大東文化、筑波に連勝ということが起こり得るのか・・・? いや起こって欲しいのですが。仮に勝ち点が並んだ場合は、全試合での得失点差の多いチームが勝ち上がるのですが、今日の−28が非常に痛い。


慶應の試合は第2試合で、第1試合は同じグループの残り2チーム、筑波と大東文化の直接対決でした。





この試合、当然筑波が勝つだろうと思ったのですが・・・。立ち上がりはシーソーゲームで大東文化がリードする面白い展開に。


大東文化は相手のボールを持った選手への1人目のタックルが見事でした。前半から低く鋭く当たるタックルが炸裂し続け、80分持つかなと思ったのですが、耐え切ってしまいました。こういったタックルは慶應同志社に対してやって欲しかったのですが。


筑波は攻める時間は長かったのですが、敵陣に行ってもなかなかトライを奪って帰れませんでした。天候のせいもあったかもしれませんが、ハンドリングエラーも多かったです。本来の筑波らしい試合が出来なかったようです。



ノーサイドで大東文化の勝利が決まった瞬間、スタンド全体が大盛り上がりでした。西側スタンドには大東文化カラーのエリアがしっかり形成されていました。多くはベンチには入れないラグビー部の学生たちですが。



今日見た2試合とも戦前の予想とは全く違う展開になりました。特に慶應。これ以上流れが悪い試合はないんじゃないかというくらいツキもない試合でした。


今年の7月、慶應義塾大学體育会蹴球部の元監督としてはカリスマ的存在(と自分は思っている)の上田昭夫さんが62歳の若さで亡くなられ、上田さんの追悼試合として行われたのが、9月5日に保土ヶ谷ラグビー場で行われた同志社大学との定期戦。この時は前半がAチーム、後半はメンバー総入れ替えでBチームで対戦という変則的な戦い方で敗れました。まさか大学選手権というガチ勝負の舞台で再戦するとはその時には全く予想もしていませんでしたが、今日も惨敗。



秩父宮FM(88.5MHz)。試合中、ルール解説を中心に、フィールドで起きているプレー等についてわかりやすく解説をしてくれるラグビー場内専用のFMラジオ放送があります。上田さんがもしご存命であれば、今日もこのブースにいらしたはずです。もし、上田さんが今日の慶應の試合を見ていたらどんなコメントをしていたのか・・・と、試合後ふと思ってしまいました。上田さんの声がない秩父宮FM、まだ違和感があるなぁ。


今日は第1試合中はずっと、そして第2試合も後半の途中までずっと雨が降り続いていました。なので、伊藤忠側のゴール裏の屋根下から埋まるという、普段とは違ったスタンドの埋まり方。(写真は第1試合開始直後の様子)



第1試合の前に昼食。久々にラグビー場近くの「札幌や」で。
今日はこれを食べて負けたので、2週間後は別のメニューにするかな。



秩父宮への行き帰りは、JRの千駄ケ谷駅から徒歩で。国立競技場が取り壊されたのを生で見るのは初めて。


↓写真の左側が元々スコアボードがあった所。



来年のリオデジャネイロ五輪の開幕まで236日とのこと。2020年の東京五輪開幕日まではあと何日?