2021年度 関東大学対抗戦A 慶應義塾大学vs.早稲田大学@秩父宮ラグビー場

9月中旬に始まったラグビーの2021年度関東大学対抗戦Aグループ。9月の日本体育大学戦(日吉G)と筑波大学戦(足利陸)、10月上旬の青山学院大学戦(日吉G)は無観客開催。10月下旬の立教大学戦(セナリオH三郷フィールド)からは有観客開催も都合により現地に行けず、11月上旬の明治大学戦(駒沢オリンピック公園陸上競技場)は先行抽選でのチケット確保に失敗し、一般でも取れずに泣く泣くJ SPORTSでの観戦。

 

ということで、2021年度シーズンは今日が初めての現地観戦です。ここまでの5試合を見る限り、春シーズンの部内でのコロナ感染蔓延が理由なのか、スクラムとタックルに昨年までの迫力を感じない内容。シーズン序盤の慶應戦に照準を合わせてきたと思われる筑波大学には昨年度以上の完敗。直近の明治大学戦もメンバーを入れ替えた後半に2トライを奪ったものの、スコア以上にやられた印象の内容。それから20日経ってどうなるか・・・。

 

ここまでの対抗戦5試合でメンバー入りすら一度もなかったSHのスタメンに1年生の小城大和(北嶺卒)を抜擢。ジュニアの試合には出ていたようですが、今後の期待を込めての抜擢なのか、他のメンバーのコンディションによるものなのか、今日の試合の一番の注目ポイントです。

 

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前半は伊藤忠ビルサイド(南側)の陣地を選択して開始。キックオフのボールをすぐに蹴らずに回してから敵陣へキック。キックで簡単にボールを相手に渡した際の早稲田のバックスによる展開攻撃を警戒しての作戦でしょうか。

 

前半5分に、自陣10m付近からでの早稲田ボールスクラムからいったん右へ展開した後、左に展開しながら中央付近を突破。最後はNo.8の佐藤が抜け出して先制トライを決められました。

 

早稲田に2つ目のトライを許した後の前半20分。早稲田のペナルティで獲得した敵陣右サイド、ゴールライン10m手前あたりからのラインアウトモールをHO原田が押し込んでようやく今日最初のトライ。コンバージョンは失敗し、5-14。

 

1トライを返した後も慶應側にトライチャンスはあったものの、パス回しでのミスから相手にボールが渡り、ロングランでのトライを奪われるなど、前半は早稲田のやりたい放題の展開でした。前半終了間際には50-22の新ルールにより、自陣左サイド5m付近の早稲田ボールラインアウトからのモールでトライを決められて、5-35で前半を終了。前半は自陣右サイドから攻撃を組み立てられるシーンが目立ちました。前半で大量リードを許したものの、後半に向けて立て直せるかどうかというところ。
 
前半終了時点で早稲田はキャプテンの長田をベンチに下げました。試合後のHCのコメントによると、コンディションのよるものだそう。前半だけで30点リードする余裕の展開ということもあったでしょう。キャプテンがいなくなったからだけではないと思いますが、後半に入ってからは早稲田の前に出てくる圧力が弱くなった気がしました。特にFW陣。逆に慶應が前半に比べて相手の攻撃を前で止められるようになり、前半によく見られたサイドを起点に突破されるシーンが激減し、ボールのキープ率が格段に向上しました。

相手のペナルティを生かして、敵陣深くに攻め込み、得意のラインアウトモールによる攻撃で確実にトライを重ね、点差を詰めていきました。早稲田のFWの弱点を徹底的に突いた素晴らしい攻めだったと思います。昨年の慶早戦で苦労したラインアウトで全くミスがなかったのも良かったです。自分の周りは大半が早稲田応援でしたが、FWについては酷評していましたね。同じパターンで失点を重ねたこともあり、早稲田のファンにとっては後半は特にかなりイライラが溜まる展開のようでした。

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慶應は4トライ目まではすべてラインアウトモールによる得点で、7点差以内の敗戦による勝ち点1が見えてきた後半ロスタイムに、SO中楠の右サイドへのキックパスからCTB鬼木が走りきってトライ。コンバージョンも決まり、33-40の7点差でノーサイドラインアウトモール以外で1つトライを奪えたのは今後につながると思います。
 
最後に7点差まで迫れたのは、後半4つのコンバージョンを中楠が全て決めたことが大きかったですね。サイドライン付近からの難しいキックが左右から1本ずつありましたが、見事に決めました。以降の試合でも正確なプレースキックを。

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前半終了時点ではボロ負けを覚悟しましたが、終わってみたらここ数年と同様の僅差ゲーム。現地で見た早稲田の印象ですが、FWの弱さと、スタメンとリザーブの力の差があるかなと。だから最後はこのような結果になったのかなと思いました。冷静に考えると、Bチーム同士が対戦するJr選手権では19-5で慶應が勝利。リザーブが出てくる後半になれば、慶應側に流れが傾いても全く不思議ではありませんでした。後半から早稲田のキャプテンが退いただけではなく、SOで出場した伊藤も故障で退いたのは大きかったです。

今日、最後の最後で獲得した勝ち点1がどう作用するのか。対抗戦ラストの帝京戦は12/4です。
 

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試合前から楽しみにしていた初スタメンのSH小城くん。少なくとも今季の試合の中ではSHとしての出来は一番だったと思います。初スタメンということを考えれば十分及第点。ラックへの寄りの速さが良かったです。パスのタイミングが合わないシーン等の修正点はありますが、本人だけでなく周りの選手も速いパス回しに対応するためのスキルアップが必要。次戦以降も起用を続けて欲しいし、1年生なので順調に成長してくれればと思いました。

試合後は東スタンド側から出て、神宮外苑のいちょう並木を眺めながら帰りました。いちょうの木々の葉はだいぶ落ちてきていて、次の週末までもつかどうかという感じでした。ラグビー観戦者だけでなく、紅葉を見に来る人でも賑わっていました。

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