最後まで追いつくことができず、2012年シーズン終了…


本日のライオンズ戦の結果(西武ドーム)の結果


クライマックスシリーズ・パ ファーストステージ


vs.福岡ソフトバンクホークス戦第3回戦 ライオンズ1勝2敗


試合開始:18:02 試合終了:21:25 試合時間:3時間23分 観衆:25,002人


Lions 2―3 Hawks 


【投手リレー】(カッコ内は投球イニング数を示す。)
(Sh)大隣(5)〜岩嵜(2)〜森福(1)〜岡島(1)
(L)石井一(3 1/3)〜十亀(2/3)〜野上(3 2/3)〜岡本篤(1/3)〜涌井(1)


勝利投手:大隣1勝  セーブ:岡島1S  敗戦投手:石井一1敗


本塁打(L)中村1号ソロ(大隣)、オーティズ1号ソロ(岡島)


先発のカズさん(石井一)が初回を無難に三者凡退で乗り切った後の1回裏。浅村ヒットで出塁、秋山バントで1死2塁。初回にいきなり昨日と同じチャンスを作ったものの、3,4番が凡退して先制点を奪えず。


カズさんは2回も三者凡退に抑えた。球もバラつきがみられないし、立ち上がりはなかなか良さそうな感じ。先制点を奪えれば中盤くらいまではすんなり行きそうな雰囲気が漂うも、ホークス先発の大隣も久々に好投。なかなか捕まえられそうな雰囲気ではなかった。


4回表、松田にチーム初安打を許し、本多に送られて1死2塁。昨日、一昨日と見た時にホークスの中で一番打ちそうな内川を敬遠気味の四球で歩かせて1死1,2塁。ここで監督が登場、ブルペンでは十亀が投球練習。まわりの仲間には一言も言わなかったけれど、この時点で嫌な予感がした。


次に迎えるのは、このCSで未だ無安打の4番・ペーニャ。変化球攻めをしておいて、決め球にストライクゾーンからボールゾーンへ曲げるなり落とすなりすれば高確率で抑えられる打者。カズさんなら多少球威はなかったとしてもそれは出来る確率は高かったはず。それなのに、ストレートの球威で勝負するタイプの十亀をマウンドへ。ペーニャに対して初球はスライダーでうまくストライクをとったのに… 続く2球目のストレートが高めに行ってしまい… レフトの熊代が左腕をいっぱいに伸ばして差し出したグラブのわずかに上を越えていくライナーに… フェンスに当たったクッションボールがセンター方向へ跳ね返り、打球の処理をもたつく間に1塁走者まで生還して2点の先制点を許してしまった。まさに嫌な予感が的中してしまった。


直後の4回裏。先頭の秋山がライト前へヒットを放つも、ナカジ(中島)が三ゴロ併殺で2死。ここでおかわり(中村)が左中間へこのCS初本塁打となるソロを放ち1−2に。このおかわりの本塁打、ナカジが併殺を打ってくれたために出たのであって、塁上に走者が残っていたらおそらく出ていなかっただろうと思います。1塁に走者がいる状況であれば、2点ビハインドということも考えて、フルスイングはなかなか出来ないだろうし、次の打者につなぐ意識も生まれるでしょうから。


大隣を攻略するとしたらこの4回裏だったでしょうね。おかわりにソロを打たれた後、明らかに動揺しバタバタしていましたから。


ライオンズに流れが戻りかかった5回から、3番手の野上を登板させてリードを広げられないための継投策に入りました。ベンチの期待通り、7回まで3イニング無失点。しかしライオンズ打線も大隣、6回からは岩嵜に2イニング抑えられてスコアはそのまま。


8回表2死から本多にライト線への2塁打を打たれて1死2塁。内川を迎えたところで、4回同様に内川を歩かせてペーニャ勝負でも良かった気がするのですが、4回に先制打、6回にもレフト前へヒットを打たれていたので怖かったのでしょうか。内川と勝負に行って、レフトへ適時打を打たれて1−3。最後は打たれてしまいましたが、野上はナイスリリーフだったと思います。野上が投げている間に同点or逆転という展開に持って行けていれば…


8回裏、先頭の熊代がライト線へ落ちるラッキーな2塁打で出塁。2点差ということで続く浅村、秋山は強攻して凡退。ナカジは勝負を避けられるようにして四球。2死1,2塁でおかわりが打席へ。今日2発目となる逆転3ランとまではいかなくても、外野の間を破る長打で同点には追いつくことが期待された場面。打った打球は、今日放ったソロよりややセンター寄りへ飛んだ大飛球。フェンスを越えるか越えないか、いやライオンズファンの誰もが越えることを期待した打球。


しかし、その期待を落胆に変えるセンターフライ。捕球した城所の左手グラブはフェンスの金網部分にくっついていました。8回裏無得点。でも、もしこれが3ランで逆転していたとしても、9回表すんなり逃げ切ることは出来なかったと思います。


9回表、もう失点は許されない場面で、「Tomorrow never knows」(by ミスチル)の登場曲に乗せられてワク(涌井)が登場。小久保、多村の2人にジャストミートされるも、秋山の2つのこれぞプロという大ファインプレーで2死。長谷川にヒットを許すも、今宮を二飛に打ち取って1−3のまま9回裏へ。秋山の好捕を決して無駄にしてはいけない、最低でも同点に追いついて延長へ…


9回裏、ホークスは抑えとして岡島投入。しかし先頭のオーティズがレフトポール際へ叩き込んで2−3の1点差。アウトカウントはゼロ。1点ビハインドで最終回を迎える理想的なシチュエーションになりました。


ヘルマンは二ゴロ、続く大崎の代打で登場した久(高山)が食らいついて食らいついてファウルで粘りまくるも最後は変化球にタイミングが合わず三振。銀仁朗(炭谷)のところには代打・カーター。3ボールまでいったのですが、最後はフルカウントから一ゴロでゲームセット。9回裏は、オーティズにソロが出た後は、ノンストップでチャンステーマ4。最高潮に盛り上がりながらも最後のゲームセットの瞬間は、ライオンズファンの溜息とホークスファンの大歓声が交錯。自分は… その場で凍りついてしまいました。


試合終了後、ちょっとした間があった後、ライオンズの面々がファンに挨拶をするためにレフトスタンド方向へ歩いてくるのをみて、


「終わってしまった。もう今シーズン、ライオンズの試合を見ることができない。もちろん次のステージ、札幌にも行けないんだ」


と実感し、目の前が少しずつ霞んでいきました。自分の視界をさえぎるその液体の量は、想像していたよりも少なかったと思います。それは、9回表の秋山の2プレーが象徴していますが、守備面でファインプレーが続出し、無駄な失点を防ごうとする姿勢が各選手から感じられたからだと思います。守備という点では、ホークスも三遊間を中心に素晴らしかった。この打球が外野へ抜けないなら仕方ないというシーンは何度もありました。


今日の試合、もし勝っていれば、自分がこれまで現地で見てきた何百試合の中でトップいくつかに入るベストゲームになり、中継録画は永久保存するに値する試合になっていただろうと思います。


ただ負けてしまったので、いつ振り返って見ることになるかはわかりません。近いうちに振り返ることになるのか、あるいは来シーズンの開幕前に、前年の悔しさを思い起こすために見ることになるのか…


今日で、2012年シーズンのライオンズの戦いはピリオドを打ちました。


でも負けた時点から2013年シーズンのスタートを切っています。若手の選手たちはそれほど日数を置かずに、フェニックスリーグが行われる宮崎へ。フェニックス終了後は秋季練習と、練習の日々が続きます。緊迫した雰囲気での大舞台は踏むことは出来ませんが、その分基礎練習からもう一度じっくりやって、来シーズンこそはレギュラーシーズンの優勝を勝ち取ってもらいたいと思います。


この3日間、西武ドームで選手達を応援しながらスタンドで戦った結果、改めて感じました。


レギュラーシーズンは優勝しなきゃダメなんです。


2位じゃダメなんです。


と。


試合前のトークショーは、伊原春樹さん。椅子は用意されず、司会者とともに立ったまま行われました。



おやじギャグだかどうかは分かりませんが、1戦目と2戦目全然打てなかったペーニャのことを、


「変化球さえ投げておけば打ち取れる。(打てないという意味で)ペニャペニャですから。」


なんて言ったのが良くなかった…? 監督のコメントではないので、関係ないと思いますが。