FAで獲得の石井一久の人的補償で…

ヤクルトが人的補償で西武福地を獲得


昨日のライオンズエキスプレス(文化放送)の放送で、「ヤクルトからFAで移籍してきた石井一久人的補償選手が決まった」との報告があった。誰なのかと思っていたら、まさか福地が奪われるとは…


石井一久がスワローズとの交渉が難航し、ライオンズへのFA移籍が決まった際、スワローズサイドは、投手か三塁手が欲しいとのサインを出していた。ライオンズがプロテクト枠25人から外れた選手のリストをスワローズに提出すると、高田監督は「欲しい選手はいないので、金銭(での補償)になるかも」と、ライオンズサイドにちょっと失礼な返答をしていた。今回の決定をみると、人的補償での獲得予定選手に関して高田監督がマスコミ向けに発言をしてから昨日までかなり時間はあったにせよ、


完全にスワローズ側の術中にはまった


形になった。スワローズから先発ローテに入っていた石井一久に加えて、グライジンガ−も移籍。昨年はFAで岩村アメリカ・メジャーリーグへ渡った。確かに先発投手あるいは打って守れる三塁手が欲しいだろうということは想像はついた。加えて、レフトのラミレスまでGへ移籍となると、外野手も欲しいかなという気はする。神宮球場は改修により、来年から両翼101m、中堅122mと急激に広い球場となるということで、俊足の外野手、しかもレギュラーが張れる外野手がどうしても欲しかったのだろうか。後から考えれば。


確かにプロテクト枠25名というのは公式戦での1軍登録枠より少ないわけだから、1軍でも控えクラスの選手では、プロテクトから外れる可能性もある。現に、一昨年オフに豊田のFA移籍に伴う人的補償で獲得した江藤がそうだった。


ライオンズは、FAでベン(和田)がドラゴンズへ移籍決定。主砲のカブレラは契約交渉で年俸面で折り合いがつかずに自由契約になった。クリーンアップを打っていた2人が同時に抜けてしまい、打線の破壊力はダウン。さらに投手陣の層の厚さという面でも不安があるのだから、1点でも多く取って投手を楽に出来る野球を展開しなければいけない。1997年に東尾監督の下での初優勝でシーズン200盗塁をした時とまではいかなくても、少なくとも今年よりは盗塁数を増やして、相手バッテリーを攪乱して点を奪う野球を目指さなくてはならなかったはず。今年、盗塁王を獲得したヤス(片岡)に次ぐチームNo.2の盗塁数をマークした選手を枠から外してしまうとは。決して打力が弱い選手ではなく、途中代走からそのまま守備につけて試合の最後まで出場させるに十分値する選手だった。肩の弱さは守備面で若干ウィークポイントになっていた気はするが。


球団フロントが、これから育成していかなくてはいけない若手選手、ドラフト上位で獲得した生え抜きの選手をプロテクトしたいという気持ちも十分分かるのだけど、せめて、


ライオンズが目指す野球の方向性がファンに手にとるようにわかる


判断を下して欲しかった。確かに福地を放出した事に関しては、フロントに対して大いに不満を覚えてはいる。けれども、こうした決定を下したフロントの人間に対して、「辞めちまえ」と言うつもりはない。


青木勇人投手とのトレードでライオンズにやってきて2年間プレーした福地選手。移籍直後から特に走・攻の部分での活躍が目立った。応援でも両腕を波立たせる振り付けの応援スタイルでファンを引きつけた。わずか2年足らずの在籍で移籍することになるのは非常に残念。こうした結果になるのなら、昨年優勝を味わってもらいたかった。


スワローズに移籍してからは、ライオンズ時代以上の活躍を期待したい。甲子園、広島と土のグラウンドを本拠地とする球団が複数あり、各チームの捕手の顔ぶれをみても、パリーグに比べると盗塁を決めるのが難しい環境かもしれない。それでも、そうした要素に打ち勝って、盗塁王を目標に頑張ってもらいたい。レギュラーポジションを獲得できれば、達成できる目標だと思う。


交流戦ではライオンズとの対戦が4試合ある。ライオンズのフロント陣を後悔させるくらい、ライオンズ戦で大爆発することを期待している。(こんなこと書いたら、ライオンズファンから怒られるかもしれないけれど)


FA移籍の選手にヤジを飛ばすことはあっても、本人の意志に反して移籍することになった福地選手に罵声を浴びせることはないと約束するから。


応援に振り付けがあった選手が次々と移籍してしまったなぁ。
カブレラ、和田、福地…
一見さん(主にライオンズファンではない友達)を球場に誘う時の魅力がなくなってしまうよ。