本日のライオンズ戦(インボイスSEIBUドーム)の結果


プレーオフ第1ステージ vs.福岡ソフトバンクホークス・第3戦】
試合開始:13:00 試合終了:16:34 試合時間:3時間34分 観衆:27,344人


西武ライオンズ 1―6 福岡ソフトバンクホークス


   1 2 3 4 5 6 7 8 9   R H E
  0 0 0 0 0 0 1 4 1  6 11 0
  0 0 0 0 1 0 0 0 0   1 5 0


【投手リレー】(カッコ内は投球イニング数を示す。)
(H)寺原(5)〜柳瀬(2)〜藤岡(1)〜馬原(1)
(L)西口(6 2/3)〜星野(1/3)〜山岸(2/3)〜三井(2/3)〜小野寺(2/3)


勝ち投手:柳瀬2勝  敗戦投手:星野1敗


本塁打
(H)ズレータ2号3ラン(山岸)
(L)中村1号ソロ(寺原)


【経過】
序盤は投手戦。5回裏にライオンズは中村のソロ本塁打で3試合連続の先制。しかし7回にホークスは代打・稲嶺の右前安打で同点にすると、8回には連続四球の後、ズレータに勝ち越しの3ランが飛び出し、さらに的場の2塁打で1点を追加。9回にも松中の2塁打で1点。ライオンズは5回の先制点以外に全く得点が奪えず敗戦。プレーオフ第1ステージは第1戦で先勝したものの、2戦と3戦で連敗し、第2ステージ進出ならず。ライオンズの2006年シーズンは本日(10月9日)をもって終了となってしまった。


【戦評】
先発の西口は4回までは全く危なげのない投球で、レギュラーシーズン最終戦(9月27日)とは雲泥の差だった。5回には初めて連打を許したものの、得点は許さず。一方のホークス先発の寺原も初回からとばし、直球は150km超えも記録していたが、5回にスタミナが切れてきたのか制球を乱し始めた。5回裏、おかわり君(中村)の打席でのカウント0−2からの3球目にしかけたエンドランの作戦が失敗したのも、寺原の制球が大きく乱れていたから。直後に先制の本塁打が出ただけに、エンドラン失敗での盗塁死が痛かった。


寺原が制球を乱し始めたことをホークスベンチは素早く察知し、6回からは柳瀬にスイッチ。この早めの継投が勝負を分けたと思う。ライオンズは先発の西口の調子が良かったために終盤まで引っ張ったのは良かった。7回に同点に追いつかれ、さらに満塁のピンチを招き、左の大村を打席に迎えた場面で左殺しの星野を投入。同点どまりに抑えたのだが、星野を次のイニングもマウンドへ送った。レギュラーシーズンではイニングをまたいでの登板ではことごとく期待を裏切られた記憶はライオンズファンの多くの心に刻み込まれているにもかかわらず、監督は続投を決断。代打・仲澤と松中に連続四球を与え、ズレータに勝ち越し3ランを打たれるという最悪のシナリオへの足がかりを作ってしまった。ズレータに対してカウントを悪くし、ストライクを取りにいった所で本塁打を打たれてしまった山岸ももちろん悪いけれど、四球でピンチを広げた星野、さらには星野の続投を決断したベンチの首脳陣にはもっと大きい責任がある。三井もイニングをまたいでの登板となり、2イニング目で失点。イニングの頭から新しい投手をつぎ込んで好結果を残したホークスとは対照的だった。


8回表、星野が連続四球でピンチを招こうとしていた時、ブルペンでは守護神の小野寺が投球練習をしていた。松中までは星野で行き、ズレータまで回ったら小野寺投入と思ったのだが、山岸が急遽仕上げの投球練習を行ってマウンドへ。プレーオフが始まる前、監督は「投手はいい(信頼の置ける)投手から順番に使っていく」と言っていたのではなかったっけ? 今日の投手継投はレギュラーシーズンと全く同じ。勝っている、あるいは同点の場面では○回に××を使う、という試合前に描いたシナリオ通りに継投を行った。プレーオフ第1S第3戦、負ければ次のステージへ進めないというトーナメントのような戦いの中だからこそ、普段とは違っていい投手からつぎ込まなければいけなかった。監督に臨機応変さが足りなかったのでは。1−6と5点リードの場面になってようやく小野寺を投入するのでは、球場まで応援に行ったライオンズファンが白けてしまう。


打線は、シーズン終盤以上に湿り、連打も9回の一度だけだった。ナカジ(中島)はそこそこ結果を残したが、残りの選手は100%のパフォーマンスから程遠い出来だった。5回に先制点を奪い、このまま逃げ切れば勝ち試合はともに1−0での勝利となり、今年のライオンズらしくない「守り勝つ野球」が出来てしまうのかと思ったが、終盤に逆転され、全く反撃も出来ずに敗戦。やっぱりそれなりに打たないと勝てなかった。


「負けたら終わり」という試合で、どんな展開になったとしても最後まで諦めてはいけなかったのだが、シーズンの打率が1割5分そこそこの的場に8回に2塁打をきれいに打たれて5点目を失った時点で「終戦」を覚悟した。今日の試合で一番悔しかったのが、ビジターのホークスファンに所沢でウエーブをやられたこと。福岡でやられるのなら分かるが、ウチのホームでやられるのは最大の屈辱。8回に失点を喫して、試合終了を待たずに帰ってしまうライオンズファンも少なからずいたし、最後はホークスファンの方がやや多かったようにも感じた。本当のファンであるなら、


勝っても負けても最後まで見届ける


のがあるべき姿なのでは。帰った方々の中には個人的な都合で帰った方もおられるかもしれないけれど。


9回裏、5点を追いかける攻撃での応援の場面。高校野球でリードを許しているチームの最終回の攻撃で、母校の逆転を信じて涙を浮かべながら必死に応援を続ける高校生の姿がテレビに映し出されることがよくあるけれど、まさにこの高校生達のように自分も半泣き状態で応援していた。


試合終了後、ライオンズの敗戦により2006年シーズンが終了。応援団による挨拶もあったのだが、リードの方が声を詰まらせているのを見て、こみ上げるものが抑えきれなくなり、思わずタオルで顔を覆さなければ恥ずかしいほど号泣してしまった。優勝できるかどうかは別としても、最低でも第2ステージへ進出し、所沢でファイターズとリーグ制覇をかけて戦う姿を何度も頭の中に浮かべていたので、第1ステージ敗退という事実をなかなか受け入れられなかった。


今年のプレーオフ敗退の原因は、ズバリ中継ぎ投手陣のメンタル面の弱さにあった。厳しい場面での四球連発、レギュラーシーズンなら抑えられるはずの場面での被安打など。100%の実力を出し切ることが出来なかった。スポーツ紙の紙面やスポーツニュースの報道等で、某野球評論家が今プレーオフの2戦目の先発投手に関して、「西口を投げさせるべきだった」と述べていたが、自分としてはそうは思わないし、たとえ西口を2戦目に持っていったとしても同じ結果になった気がする。今回のプレーオフは2戦目の先発を務めた松永を含めて、先発投手は3人ともよく頑張ったと思う。問題は中継ぎ投手の出来。相手・ホークスと比べると明らかに出来が悪かった。中継ぎがこれだけ悪い状況では、先発投手が完投するか、あるいは8回まで投げきって直接ストッパーにつなぐしか勝利への手段はなかっただろう。


最後にベンチ入りしていたライオンズの選手達がライトスタンドへ向かって挨拶にやってきた。中でも選手会長のダイスケ(松坂)が1人遅れてやってきて、我々ファンに向かってお辞儀をしていた。このシーンを見て思い出したのが昨年の千葉マリンでのプレーオフ終了後のあるシーン。今年同様に選手達がファンの前に姿を現したのだが、中でも1人だけ特に深々とお辞儀をしていた選手がいた。当時絶対的守護神といわれた豊田清投手である。この1か月半後にFA(フリーエージェント)でジャイアンツ移籍が決まった。後々振り返ると、豊田投手はプレーオフ終了時点でFA移籍を心に決めていたのではと思われる。今回のダイスケも同様に、来年からのメジャー移籍を前にした最後の挨拶になってしまうのだろうか。それとも選手会長としてチームの面々を代表しての挨拶だったのか。もちろん後者であることを祈っている。ダイスケが挨拶に来たとき、自分の枯れた声を振り絞り、


「来年も俺たちと一緒にここ(所沢)で戦ってくれよ!!」


「(昔よりレベルの低い)メジャーになんか絶対行くんじゃねぇぞ!!」


と大声で呼びかけた。ダイスケがもしポスティングシステムを利用してメジャー移籍することになると、球団に高額の移籍金が入る一方で、先発完投型の大エースを失うことによる戦力的ダウンも非常に大きい。中継ぎ投手陣に不安を抱える現状で抜けられることになると、非常に痛い所の話ではない。今季の大・社ドラフトでは、1番の目玉投手でもある岸孝之投手(東北学院大)を自由獲得枠により獲得することに成功しそうであるが、彼が1年目にどれだけの成績を残せるかは未知数。今シーズン故障で殆どを棒に振ることになった帆足がどの程度復活するかも分からない。球団には移籍金だけ手にして、その金を使って選手を獲りに行くような姿勢も見えない。獲得するかどうかは別としても、今年FA権を獲得した、西日本に本拠地を置く某チームのエースを大金はたいて獲りに行く姿勢くらいは見せて欲しいものである。


最後に、今回のプレーオフでは遠く関西や福岡からも応援団がかけつけていた。自分が応援に行った2試合では、2試合とも4回裏の1イニング限定で福岡の方が応援のリードをとられた。8月に福岡へ遠征応援に行った時に個人的にお世話になった方で、まさか所沢であの方のリードが見られるとは思わなかった。両日とも攻撃が非常に短いイニングになってしまったが、ライオンズの打線が好調で、攻撃が長ければ、福岡独特の面白い応援を関東のライオンズファンに披露できたのではないだろうかと思うと残念でならなかった。来年以降もライオンズの応援、そしてリードマンとしての勇姿を見るべく、福岡へ遠征応援に飛んでいきたくなってしまいました。


グラウンドで戦いを続けた選手、首脳陣の皆様、そして彼らを陰ながら支えた裏方の皆様、そして選手達を応援し続けた全国の西武ライオンズ応援団とライオンズファンの皆様、1年間本当にお疲れ様でした。来年こそは秋に何度も祝杯があげられるよう、全力で頑張りましょう。個人的には、来年はライオンズファンになって20年目の節目の年になるので、是非是非優勝で記念の年を飾りたいです。


ライオンズのシーズン終了に伴い、このブログもオフの期間は不定期更新になります。とりあえず次回更新は、日本シリーズ勝敗予想ネタですかね。



↑第2ステージ進出が決まった瞬間に掲げようとしていた横断幕(縦55cm×横140cmくらい)。所沢で掲げられることなくとりあえずはお蔵入り。いつか使える機会がやってくることを信じてやまない。