ついに本領発揮!


WBC準決勝第2試合@サンディエゴ・ペトコパーク
日本代表 6−0 韓国代表


ついにやりました、三度目の正直で。
1次リーグ、2次リーグでの対戦同様に、今日も序盤は韓国の先発投手を打ちあぐね、出塁した走者をなかなか進めることが出来ず。2回には小笠原のライトへの大飛球をイジンヨンに好捕され、韓国へと流れがいきかけた。
試合の流れを相手に渡すことを許さなかったのが先発・上原の好投。特にストレートのキレ、コントロールが抜群だった。あれだけ伸びのある真っ直ぐは久々に見た気がした。自分は典型的なアンチG党であるため、シーズン中にジャイアンツの選手を応援することなんかあり得ないのだけど、今大会だけは特別。日本人として誇り、頼れるエースとしてのマウンドさばきをみせてもらった気がした。


上原の粘り強い投球に打線がようやく応えたのが7回。先頭の松中がライト線への2塁打で出塁。2塁ベースへヘッドスライディング、そして左手でベースを叩きつけて喜ぶ姿に魂を感じた。多村のバント失敗で嫌な流れになりかけたが、直後に打撃面で結果が出ずに苦しむ代打・福留が低めのストレートをライトスタンドへ一直線に運んで2点を先制。代打策がハマったのは今大会初めてではないだろうか。福留の本塁打の後、小笠原への初球が故意にぶつけてきたとも思われる死球となり、JAPAN打線に火がついた。里崎のエンタイトル2塁打に、代打・宮本、イチローの適時打と、この回だけで打者10人5得点の猛攻だった。
これまでの試合では、野手をほぼ固定メンバーで戦ってきたけれども、今日はスタメンでセンターに青木を入れ、イチローを3番に据えるなど少し打線をいじって試合に臨んだ。福留、宮本の代打策も見事成功! もっと早い時期から今日のような臨機応変な選手起用をすればよかったのにと思わずにはいられなかった。


1次リーグ、2次リーグではいずれもワンチャンスで決勝点を奪われ惜敗。3度連続で負けることが許されないプレッシャーの中で、韓国の優秀な投手陣をコテンパンに打ち崩すことに成功した。今日の勝利を通じて、日本プロ野球のレベルの高さ、プライドを韓国サイドに十二分に見せつけることが出来たと思う。
韓国サイドからすれば、これまで全勝で来たにもかかわらず、たった1つの敗戦により決勝へすら駒を進めることが出来なかったことには納得できない部分もあるかもしれない。今回の韓国と同様の経験を、日本代表は2年前のアテネで経験している。予選リーグを全勝で通過しながら、準決勝では豪州に0−1と苦杯を舐め、銅メダルどまりに終わった。今大会の日本は1次、2次リーグとも2位通過、特に2次リーグは通過が危ぶまれる状況に一時は立たされた。それでも、準決勝ではこれまでみせられなかった最高のパフォーマンスで勝利することが出来た。まさに一発逆転! アテネの失敗が生かされた瞬間でもあった。


明後日は決勝の舞台でキューバと対戦する。中米カリブ海地域の強豪国ひしめくグループを勝ち抜いてきたチームで、今大会で日本が対戦する最強のチームであろうと思っている。日本はおそらくダイスケ(松坂)の先発が有力。前回のメキシコ戦のように直球に伸びがあれば、どの球種でも勝負することが出来るはず。次が最終戦になるので、万が一ダイスケが捕まるようなことがあれば、球の出所が見にくい左腕・和田や、キューバ打線にとっては見慣れていないであろうサブマリン・渡辺俊の早めの投入もあるだろう。そして最後はやはり、昨年までペトコパークを本拠地として戦った大塚で締めて、めでたく王監督の胴上げ!!となるのが理想的。明後日は応援歌の練習のために所沢へ出かけざるを得ないので、リアルタイムで見ることは出来ないが、ダイスケ先発なら所沢のオーロラビジョンでPV実施してくれると信じているが・・・


今日の試合の実況もよかった。普段のプロ野球中継では、ライオンズナイターなどチーム名のついた中継は別として、原則として中立の立場で中継がなされる(べき)ものだが、今大会のような国の代表同士の戦いでは特別に思い切り偏った中継が許されてよいと思う。実況アナウンサーが声を裏返しながら絶叫し、解説者も一日本サポーターとして、解説そっちのけで思いを代弁してくれた。日本人として心から日本の勝利を期待する人間にとってはごく自然なことではなかろうか。明後日のキューバ戦では今日とは別の局(地上波)が中継を担当する事になっているけれども、今日同様にサポーターの気持ちを代弁するような熱い実況を期待したい。