2020関東大学ラグビー対抗戦A 慶應義塾大学vs.帝京大学@熊谷ラグビー場

2年ぶりに熊谷ラグビー場に来ました。W杯が開催されてからは初めてです。前回来たときには設置されていなかったこんなモニュメントが出来ていました。

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昨日とはうって変わって好天に恵まれました。熊谷の冬特有の強風もなく、午後から直射日光を浴びるメインスタンドでは上着を着ていると暑いくらいでした。

 

慶應の試合は第2試合でしたが、第1試合の筑波大学vs.日本体育大学の試合は勝った方が大学選手権出場権を得るという試合だったので、生で観戦しました。

 

 

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前半は久々の選手権出場を目指す日体大の意地が感じられる試合展開で、両チームノートライでした。前半だけ見ていると、「もしかすると」という展開でした。

しかし、これまでスタメン起用の多かった松永が後半に入って投入されてから、本来の筑波大学の試合展開になり、終わってみると予想通りの結果になりました。前半から「らしい」試合をやっていれば、大差がついたのでしょうが。

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そして第2試合。試合前練習を昼飯食べながら見ていたのですが、プレースキックの練習でFB山田のキックが全くダメだったんですよね。試合に入ると、その心配が見事に的中する展開になりました。

 

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試合開始直後、慶應が自陣のゴールから30~35m中央付近でペナルティを犯しました。これまでの帝京ならラインアウトからトライを狙いにくるはずなのですが、PGを選択。選手権と同様、今日の試合では何としても勝つことを意識していたのか、あるいは今年の慶應から得点を奪うのは容易ではないと思い、とりあえず3点と考えたのか。意図はわかりませんが、今まで(強かった当時)の帝京とは少し違う感じがしました。

 

慶應は3点を奪われた後すぐに左サイドからチャンスを作り、FW勝負で押し込んでいって、最後はNo.8で先発出場した1年生の福澤がトライ。コンバージョンも決まって7-3とあっさり逆転。堅い帝京ディフェンスをFWで押し込めたことで今日の試合において自信が持てたと思います。

 

この得点後、再度チャンスを作り、敵陣正面でのPGを決めて10-3とリードを広げました。

 

今日の慶應、序盤は自陣から前方へキックしたボールを一旦相手にキャッチさせた後、キャッチした相手に対してチェイスし、きっちりタックルを決めて前進を許さなかったことで優位に進められました。前半16~17分と25分に自陣で決定的なピンチがありましたが、失点せずに凌いだことが最後の劇的な展開につながったと思います。

 

その後、慶應のディフェンスが相手の素早いパス回しと突進力に対応できなくなり、前半の終わりの方はかなり苦労しましたが、何とか3点ビハインドで前半を終了しました。

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後半開始早々、敵陣で前進してくる選手の首に腕が入ってしまい、FL今野がシンビンを食らって10分間の一時退場。1人少ない時間帯を凌げるか大事な10分間だったのですが、互いに1トライずつ奪い合う展開で点差は5点にまでしか広がらず(慶應15-20帝京)。15人vs.15人に戻れば挽回可能な点差にとどめました。

 

後半25分を過ぎたあたりで、帝京が自陣でペナルティを連発し、右サイドゴール前5mでのラインアウトから得意のドライビングモールで押し込んで20-20の同点。

 

残り15分でどちらに得点が入るかによって試合の勝敗が決まりそうな展開になる中、残り6分で帝京のドライビングモールを決められ、その後のコンバージョンも決まって20-27の7点ビハインドに。残り時間を考えると1T1G奪い返しての引き分けも頭をよぎりました(引き分けると対抗戦4位で選手権に進むため、年内は花園で2連戦になる)。

 

残り2分で帝京のノックオンオフサイドの反則からタッチへのキック→ラインアウトからFWで攻め続けて、最後は髙武が押し込んで25-27。コンバージョンは失敗。既に80分を2分以上過ぎていて、ノーサイドの笛が吹かれてもおかしくない状況でしたが、まだプレーが続きました。

 

帝京のキックオフのボールを確実に自陣でキープし、帝京の反則を生かしながらキックで前へ進み、最後は敵陣ゴール前10m付近の右サイドラインアウトからFWで仕掛け続けて、最後はFL山本が決めて、30-27と逆転。ロスタイムに入って7分以上経過していました。トライが決まった瞬間、まるで優勝が決まったかのように、ベンチから選手が一斉に飛び出してきて、みんな飛び上がって喜んでいました。

 

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MOMは最後に逆転トライを決めた山本選手でした。

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最後の最後で逆転して勝利に終わりましたが、それを抜きにしてもロスタイムまで息を抜けない緊迫した展開が続く素晴らしい試合でした。負けたら終わりの大学選手権でこんな勝ち方出来たら、最高ですけどね。

 

選手権で競った試合をモノにするには、PGやコンバージョンなどプレースキックの正確性も必要になります。今日は調子が良くなかったようですが、1週間しっかり調整して、選手権の初戦に臨んでもらいたいです。

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今日の試合が終了し、対抗戦Aグループの全日程終了、順位が確定しました。慶應が帝京に勝ったので、早明戦の結果次第では2位の可能性もあったのですが、明治が勝ったため、対抗戦Aの3位で大学選手権へ。選手権のトーナメントの組み合わせは日本ラグビーフットボール協会のホームページに公開されています。

www.rugby-japan.jp

 

慶應は初戦が来週日曜(13日)の3回戦、大阪・花園での京都産業大学戦。勝ち上がると秩父宮で早稲田が待っている、慶早戦の再戦になります。この組み合わせは2018年度の大学選手権と全く同じ組み合わせですね。2年前は、京都産業大学に苦労しながら勝利し、準々決勝の早稲田戦は終了直前までリードし、マイボールスクラムを得て、普通にボールが出せれば逃げ切り勝ちだったのですが、ペナルティを取られてマイボールを失い、その後、早稲田に展開されてトライを奪われ、降っていた雨が涙雨になってしまいました。この時逆転トライを奪った早稲田の選手は、今シーズン左WTBでスタメン出場を続ける佐々木隼(2年、桐蔭学園卒)のお兄さんでしたね。

 

コロナがなければ、3回戦の花園に行きたいと思ったのですが、行く先の感染状況がひどいこともあり、泣く泣く現地観戦を諦めました。秩父宮の準々決勝のチケットは何とかリセールで自由席を確保したので、中には入れることになっています。

 

まずは3回戦を手堅く勝ってもらって(簡単に勝てる相手ではないとわかっていますが)、秩父宮でまた応援出来るのを楽しみに待っています。

 

熊谷で慶應が勝った日の帰りはグリーン車で帰るというのがお決まりのパターン。今日も気分良くゆったりと帰りました。

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