代表サッカー・イラン戦

2006ドイツW杯アジア最終予選Bグループ第2戦
アザディ・スタジアム(イラン・テヘラン)

日本 0前半1 イラン
   1後半1
   1合計2
【得点】(イ) 25分 ハシェミアン 75分 ハシェミアン
    (日) 66分 福西

【警告】(イ)カリミ、マハダビキア、ネコウラム
    (日)福西、小野(3/30のバーレーン戦出場停止)

【交代】(イ) 42分ダエイ→ナビドキア 63分ザンディ→アラビ 77分カリミ→ニクバクト
    (日) 61分玉田→柳沢 78分小野→小笠原 80分高原→大黒

【戦評】
厳しい試合になるとは予想していたが、最低でも勝ち点を取らなくてはいけなかった、というか勝ち点1も取れなかったのは、今後の苦しい戦いを予感させる。
前半、日本は殆どボール支配が出来ていなかった。前半の中盤で一時的にボールを回せてはいたが、大半がイランペースで進んだ。日本のスローインのボールでさえ、イランに簡単に取られる状態。そんな中でチャンスは数回あったのだが、各選手の攻撃面での積極性が欠けているように感じた。もっとミドルレンジからのシュートでゴールを狙って良かったのでは。
後半、同点に追いついたあたりからパスがうまく繋がるようになったのだが、つかの間の失点で、ロングボールを使った攻撃をせざるを得ない状況になってしまった。2点目の失点がもったいなかった。
イランのサッカーの印象については、攻撃のスピードに関してはそれほど感じなかった(試合前に北朝鮮vs.バーレーン戦を見ていたため)が、ここ一番での決定力にやられた。守備に関しては、サイドから崩していった時には高さのある中央の選手を外へ引き出した上でセンタリングを上げるなど、工夫が必要だったのでは。
選手起用に関しては、調子があまり良くなかった玉田を代えるのはまだしも、小野を交代させる意図が全く分からなかった。確かに小野は故障明けで、今日のようなタフな試合では90分フルで出るのは厳しかったのかもしれない。警告を受けて次節出場停止になったということで、まさか次の試合のことまで考えて代えた訳ではないだろう。高原を交代させたことで、前線に高さのある選手がいなくなってしまった。最後に福西を前線に上げていたようだが、それならば最後の5分間は後ろ(守備)の人数を1人減らしてでも、前に人数をかければよかったのではないか。
イランに敗れ、次の(5日後)のバーレーン戦に向けて気持ちを切り替えればいいとは言うものの、今日の夕方に行われた北朝鮮vs.バーレーン戦(平壌)を見る限りでは、バーレーンは守備に関してはイランより上、攻撃、特に守備の後のカウンター攻撃のスピードにも目を見張るものがあった。日本がホームで戦うことが出来るとはいえ、勝ち点3を容易に取れる相手ではない。バーレーンの攻撃は右サイドからが中心で、得点の確率が高いのもこのパターンだ。得意な攻撃パターンはある程度限られているから、スピードについていければ対応は可能だろう。

30日のバーレーン戦は、今後のことを考えると勝ち点3が絶対に必要。引き分けでも相当厳しく、最悪の事態(プレーオフ)も頭をよぎり始めることになるかもしれない。

最後に審判について。最近は見ていて判定にいらつかされる試合が非常に多い。今日の試合だって、日本の選手が足を引っ掛けられたり、肘打ちに近い形で倒されたりしているにも関わらず、ファールすら取ってもらえなかった。これではルールがあってないようなもの。こんないい加減なジャッジをやられれば、けが人が出てもおかしくない。コッリーナ氏(元国際審判・イタリア人)のようなレベルの高い審判はアジアにはいないのか。