初の高校生ドラフト

まだシーズンが終わっていない(セリーグはレギュラーシーズンの試合を残した状態)時期のドラフト。11月中旬に行われるのが恒例なので、違和感を感じた。
今年ドラフトにかかる高校生には、特に投手にいい人材が多かった。辻内(大阪桐蔭)を筆頭にして。
新聞紙上では、ライオンズも1巡目指名で辻内を競合覚悟で指名するか、あるいはそれを回避して鶴(近大付)を指名するかのどちらかと書かれていたのだが、蓋を開けてみると・・・
何と今年の高校生捕手No.1、そして「城島2世」の呼び声の高い炭谷(平安)を指名。ライオンズドラフト関連の記事では、炭谷のすの字も出ていなかったのに。細川や野田が伸び悩んでいる現状では、伊東監督も手を伸ばしたくなってもおかしくはない人材だと思うが。
もし辻内を指名していればジャイアンツとオリックスとの競合、鶴を指名すればタイガースとの競合で抽選になっており、そこで外れれば獲れなかったかも(炭谷はオリックスが外れ1位で狙っていた。) 昨年の涌井といい、今年もそうだけど、ドラフトではそれまでの報道と全く異なる有力選手を1本釣り出来ているのが素晴らしい。伊東監督のコメントに、『ぼくの中では最初から決めていた。あのように(辻内指名と)マスコミに書いていただいて、よっしゃという気持ちはありましたけどね』と書いてあったのを読む限り、ドラフトに関してはかなりの策士ですな。(ソースはこちら)
炭谷君には、リーグを誇る強肩強打の捕手になってもらって、ここ数年続いている「ライオンズの捕手=打てないor意外性の男」というイメージを払拭してもらいたい。リードもいいようなので、1年目から1軍起用があるのかな。それにしても「銀仁朗」という名前からは、何だか酒が強そうなおやじってイメージが沸いてきてしまうのだけど(笑)
ライオンズは炭谷以外は2人の投手を指名。即戦力ではないけれど、ライオンズお得意の素材型、隠し球的選手。まずは2,3年、2軍でじっくり鍛えることからスタートか。11月の大卒・社会人ドラフトで即戦力投手を1or2人獲得できれば及第点か。

今日のドラフトでは、抽選での交渉権獲得球団が急遽変わるというハプニングが起きた。抽選後に交渉権を得ていないにも関わらず、オリックスの中村GMやホークスの王監督が勘違いして手をあげてしまった。抽選で引いた用紙には、右側に野球連盟の赤い印が押してあり、左側には当選用紙のみに「交渉権獲得」と黒字で書かれていたようだ。今回は様々な点に問題があったが、来年へ向けての改善点として、

  • 抽選前にあらかじめ抽選で引く紙に関する説明を行い、どういう場合に当選なのかを抽選者(各球団関係者)に明らかにする。
  • 野球連盟の刻印は、用紙の端の方に行う。色は黒。(王監督は赤い刻印を見て条件反射的に当選したものだと思ったそうだ)
  • 交渉権獲得か否かの刻印は赤字で行い、漢字の読めない外国人監督(今回はヒルマン監督)でも一目で分かるように○×表記にする。

が主なものとしてあげられるだろうか。最近は逆指名、自由獲得枠導入により、ドラフトでの抽選の機会が少なくなっていて、連盟の関係者も不慣れな点があったのかもしれない。今回のようなミスが再度起こらないように注意してもらいたい。意中の球団に指名されて喜んでいた高校3年生が、20分後には「実は違う球団だった」という悲劇が起きることのないよう。