「プロ野球観戦の通になろう」(首都大・OPユニバ報告)

7月29日、首都大学東京主催のオープンユニバーシティー・「プロ野球観戦の通になろう」の講義を聴きに行ってきました。場所は首都大の飯田橋キャンパス(東京民政会館3F)。講師は、ライオンズナイターでも御馴染み、ライオンズコメンテーターの中川充四郎さん。1982年以来ライオンズを追い続けて今年で25年目。ラジオでは話せないような裏話も今回は聞けるということで、楽しみにして足を運んできました。


第1部は、自己紹介と文化放送ライオンズナイターの歴史から入り、ライオンズコメンテーターになりたての頃の話を聞きました。一番最初に選手と触れ合うに当たって、「選手との世間話を大切に」したとのこと。最近では、若手選手の興味対象であるテレビ番組、娯楽等もチェックしているそうで、充四郎さんが選手の親のように接している姿が目に浮かんできました。


引き続いて、ベンチサイドからみて迫力を感じるプレーについては、本塁へのヘッドスライディングでの突入するシーンや、一塁邪飛を追ってカメラマン席方向へ選手が走ってくる場面をあげておられました。普段外野席でばかり見ている自分にとってはわからない迫力ですが、球場のフィールドシートあたりでみれば同じような感覚、迫力を感じられるのかなぁと思いました。外野で見る時には、自分のいる方向へ本塁打ボールが近づいてくる時のボールの勢いに魅せられるものがありますね。また、ネット裏から見た投手の球筋については、ダイスケ(松坂)の投球を例に説明。最近では、右打者の外から内へ入るチェンジアップを投げているということですが、技術的なレベルが相当高くて、この種の球を投げる投手は他には殆どいないようです。今度、ダイスケの投球をTVで見る時に確認したいと思ってます。


第1部の最後に、西武ライオンズ歴代監督の印象について語っていました。各監督の特徴や印象に残った言葉等を話しておられましたが、一番印象に残ったのが、1994年にリーグ優勝(5連覇)を達成しながら森監督が辞任した件に関して。この前年(1993年)に世紀の大トレード、「秋山、渡辺智、内山vs.佐々木誠村田勝喜、橋本」の3対3のトレードがありましたが、このトレードで秋山をホークスへ放出したことも辞任の原因の1つだったと振り返られていました。詳しいことはここでは語ることは出来ませんが。当時の新聞でどのように報じられていたかが気になり、帰り際に新聞(朝日、毎日、読売、日経)4紙の縮刷版を調べてから帰りました。多くの新聞が、「森監督のバントを多用する野球では(つまらないので)客を十分に引き寄せることが出来ない」ことが大きな原因と報じており、トレードをはじめとして選手と監督の間に溝が生じていることを報じたのはたった1紙だけでした。辞任に至った本当の理由、裏事情というのがマスコミで語られていなかったのがこれよりわかります。現場にいないとわからない事情を充四郎さんから聞くことが出来たのは、今日の一番の収穫だったと感じてます。


第2部では、野球場で楽しく観戦する方法を教えて頂き、単に自分の贔屓チームを応援するだけではなく、選手や審判の動きに注目するとより面白いことがわかりました。例としては、試合前はシートノックでの外野手の送球、投球練習の球種、試合中は無死、1死1塁での遊撃手・二塁手と投手の連携、点差やイニングに応じた内外野の守備位置に注目するといいそうです。審判の動きを追うのも面白いようで、インフィールドフライ宣告の時には、4審判がそれぞれ胸元に手を当ててサインを送っているそうです。これは初耳だったので、今度そういった場面に現場で遭遇した時にチェックしてみます。


ルールに関しても、実況アナでさえ間違いやすいプレーの数々について、Take1ベースとTake2ベースはそれぞれどんな時に適用されるかを例に説明を受けてきました。牽制悪送球に関しては、プレートを外して悪送球すると、送球扱いでTake2ベースになり、プレートを外さずに悪送球すると、投球扱いでTake1ベースになるのだそうです。皆様はご存知でしたか?


第2部の最後に、「野球界での暗黙の了解」についての話題となり、以前大量リードの場面で、藤川投手(タイガース)が清原選手に対して決め球にフォークを使って三振を奪った際に、清原が「お前は男なのか」といった類の発言があったことに関して話題に上がりました。この件に関する僕の見解は充四郎さんと全く同じで安心。どっちが悪いと話していたかは想像にお任せしますが。大量リードの場面で投手が打席に立ち、打って1塁まで全力疾走するのはいかがなものかということも話題に上がりましたが、野球ファンの立場からすれば、どんな場面であっても全力プレーを見せて欲しいというのが本音でしょうか。充四郎さんも同じようなことをおっしゃっていました。


最後の第3部では、今年4月14日に行われたライオンズvs.マリーンズ戦(@所沢)の8回裏を用いて、スコアを実際につけてみました。球場へ応援に行く際にこれまでつけていた自己流スコアブックとはだいぶ違いましたが、どのような送球で打ち取られたか、誰の打席の時に走者がどこまで進塁したかというのもつけるので、試合中の細かいプレーを後で振り返ることができる点が優れものです。試合中のつけやすさという点では、慣れるまでは今までの自己流の方がつけやすいような気もしますが、今後機会があれば今回習った方法でスコアをつけてみたいと思います。スコアをつけることに神経が行ってしまって応援がおろそかになるのは嫌なので、自宅でテレビ観戦する時に実践してみようかな。


最後に、今回の講座でつけたスコアブックを写真で載せておきます (見づらいですが)。
今回つけたのは8回裏のみ(写真中、字が薄い部分)です。他のイニングは文化放送の中継スタッフがつけた??と思われます。