日本シリーズ第4戦

マリーンズ、4タテで31年ぶり日本一!
阪神タイガース 2−3 千葉ロッテマリーンズ
勝利投手:セラフィニ1勝 セーブ:小林雅1S 敗戦投手:杉山1敗
本塁打
(マ)李承菀3号2ラン(杉山)

まずは、マリーンズの関係者の皆様、そして全国のマリサポの皆様、31年ぶりの日本一、おめでとうございます。
第3戦までと比べて接戦で、セリーグ覇者のタイガースの意地を少しは見せてもらった気はしたけれど、マリーンズの流れを食い止めるまでには至らなかった。
2回に李承菀の2ランでマリーンズがあっさり2点を先制。初回にタイガースが無死1,2塁で無得点に終わったのとは対照的に先制点を簡単に奪ってしまった。今日の試合も序盤から重苦しい雰囲気が漂った。
タイガースは初回、4回、5回と先頭打者をいずれもヒットで出しながら無得点。得点圏まで走者を進めても、凡飛や併殺でチャンスを逸した。4回の今岡の三ゴロは、三塁線ぎりぎりの所へのゴロで、打者走者は生きると思ったのだが併殺に。表情を見ていると全力疾走を怠ったような気がしてならない。5回の赤星の二ゴロ併殺は、少しでも左右にずれていれば適時打になっていた。ツキのなさが非常に目についた。
反撃を開始したのは6回。今岡、桧山と連続しての適時打で2点を還したが、これも投球に押されての詰まった打球だった。それでも野手の間に落ちたり、半分マリーンズ側の失策のようなプレーが出て、タイガースに流れがいきかけたが、矢野の併殺でいい流れを止めてしまった。矢野は9回にも無死1塁からのバントを失敗し、三飛併殺に倒れている。今日だけで2つの併殺。シリーズの4試合連続でヒットを打ったということで敢闘賞を受賞したが、投手陣がボロボロ、本人は最終戦でいい流れを止めても受賞という結果は皮肉であった。
シリーズの結果を分けたのは、マリーンズのPOから続く流れも当然あるけれど、それ以上にレギュラーシーズン同様のプレーが出来たかどうかということと、首脳陣が失点を最小限に食い止められるような采配が出来たかという2点が大きいと思う。
1つ目に関しては、マリーンズはシーズン同様、投手を含めた守備はほぼ完璧、打線も調子を落とす選手が殆どいなかった。一方でタイガースは、打線全体が低調、投手陣はマリーンズの勢いに押され、先発投手は中盤でガス欠、中継ぎも食い止められなかった。2つ目に関しては、タイガース側にもっと積極的な投手起用が欲しかった。初戦での井川〜橋本、2戦目の安藤〜江草、3戦目の藤川〜桟原の継投は解せなかった。これ以上失点が許されない場面では、ビハインドの展開であろうと信頼度の高い投手を送るべき。POでも第1ステージの初戦で、ライオンズが先発のダイスケ(松坂)を下ろした後、左投手として星野ではなく三井を送り、勝ち越し点を許し、試合にも敗れた。レギュラーシーズンであればこの継投は正しかったと思うが、短期決戦では1つの勝敗が流れを大きく左右する。短期決戦用の、普段とは別の采配をしなければ、劣勢の時に流れを自分の方に引き寄せることが出来ないということを今回のシリーズを通して、改めて感じさせられた。

タイガースは4連敗で終了、しかも本拠地で日本一を決められたということで屈辱以外の何物でもない。ライオンズファンとして思い出すのが3年前、ジャイアンツ相手に4タテを食らった日本シリーズ。本拠地で決められたこと、投手陣がやられ放題だったこと(昨年まではシリーズ最低防御率は2002年のライオンズ。今年のタイガースがワースト記録を更新)は共通しているのは誰の目にも明らか。実はこの他にも共通点がある。
まずはクリーンアップで大ブレーキになった選手がいたこと。今年は金本、3年前はベンちゃん(和田)である。3年前のベンちゃんはシーズンで3割30本を余裕でクリアしながら、日本シリーズでは無安打に終わった。
2つ目はシーズンでチームの勝ち頭になった(先発)投手の起用。今年でいう下柳、3年前の西口である。下柳は千葉マリンを、西口は東京ドームを苦手にし、本拠地での第3戦以降の登板になった。西口は5回2失点で同点の場面でマウンドを後にしている。下柳も5回3失点と好投したが、味方打線の援護がなく、不運な点の取られ方で敗戦投手になった。苦手にしているとはいえ、2人とも第1戦で先発させていたら、どんな展開になっていただろうか。シーズンで一番活躍した投手で勝てなければ、日本一にはなれないだろうし、仮に日本一になれなかった場合でも悔いは残らなかったのではなかろうか。

マリーンズは11/10から始まるアジアシリーズ(東京ドーム)への進出が決定した。シリーズが終わってから2週間ほど間隔は空くけれど、アジアシリーズでもこれまで同様の手堅い野球を見せてもらいたい。個人的には、李承菀が古巣の三星(サムソン)ライオンズと対戦するシーンが見られるのを楽しみにしている。西武ライオンズファンであり、マリーンズファンではない私も1試合か2試合、現場で見せてもらう予定にしている。ライオンズの選手達が見習うべきポイントをプレーの中から1つでも見つけられればいいなぁと思っている。

来季の日程は、交流戦が11/7に、パリーグ公式戦が11/9に発表される。開幕戦がマリーンズ戦というのは決まっているけれど、前年のチャンピオンチームと開幕から当たるのは厳しいなぁ。うまく切り抜けられれば、逆に勢いがついて開幕ダッシュが出来るかもしれないけれど…