45年ぶりの甲子園

第77回選抜高校野球大会第1日・第3試合 関西vs.慶應義塾 試合結果
試合開始:14:02 試合終了:16:43 (途中降雨により4分中断)

強い風雨の中、逆転に次ぐ逆転の死闘をサヨナラで制し、塾高2回戦進出!

   1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
関西 1 0 0 1 0 1 3 1 0 7 13 0
慶應 1 0 3 0 0 0 3 0 1X 8 14 2

(投手)
(関)●西所
(慶)○中林

【経過】
(1回表)
2死3塁から松本・左前適時打 0-1
(1回裏)
1死1,3塁から湯浅・二ゴロの間に同点 1-1
(3回裏)

  • 2死1,3塁から重盗で1点勝ち越し 2-1
  • 暴投で2塁走者が3塁へ
  • 2死3塁から湯浅・右前適時打 3-1
  • 2死1塁から山口・中越え3塁打 4-1

(4回表)
2死3塁から平井・左翼線2塁打 4-2
(6回表)

  • 無死1塁から松本・左翼線2塁打 4-3

(6回表1死、降雨中断4分間)
(7回表)

  • 1死1,3塁から長尾・左越え3塁打で逆転 4-5
  • 1死3塁から船引・右翼線2塁打 4-6

(7回裏)

  • 2死1塁から湯浅・右翼線2塁打で1点返す 5-6
  • 2死2塁から山口・左翼線2塁打で同点 6-6
  • 2死2塁から中林・右越え3塁打で再逆転 7-6

(8回表)
2死1塁から安井・左中間2塁打で同点 7-7
(9回裏)
1死満塁から代打・新谷の中前安打で慶應サヨナラ勝ち! 8X-7

※以上のデータは独自に作成したものです。公式記録等は、毎日新聞選抜高校野球大会試合速報のページをご覧下さい。

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いやいや、初戦から感動的な試合を見せてもらいましたよ。
試合開始直後から雨が降り始め、雨脚が強まった場面が何度もあり、さらにはバックスクリーン上の旗がちぎれんばかりの強い風。試合終盤では、ファールグラウンドや遊撃手の守備位置付近のグランド状態がひどく、降った雨水が浮き、照明塔の光線に照らされてテカテカに光っていました。野球をやるには最悪のコンディションの中、戦い続けた両チームの選手達には「お疲れ様」と、そして45年ぶりに甲子園に登場して初戦を突破した慶應のメンバーには「おめでとう」と言いたいですね。

前評判では、打線で引っ張る関西、投手力で守り抜く野球をする慶應と言われていましたが、どちらも互角の攻撃力を見せてくれたような気がします。チャンスをどれだけモノに出来たかが試合を分けたように思います。関西は、2点を追いかける5回に先頭打者を出した後で強攻策に出て併殺打、6回1死3塁から2者連続で凡退、9回は3四球で満塁のチャンスを作りながら無得点と、チャンスを逸し続けました。一方で、慶應は3回に2死から3連打に重盗を絡めて3得点、7回は2死無走者から4連打で3点を取り逆転というように、手堅さと厚みのある攻撃で得点を重ねていきました。

両チームの投手については、関西の西所投手はナックルボールを持っているという話を聞いていたものの、序盤に数球放っただけでした。1試合に十数球しか投げないということでしたが、序盤に失点を重ねて、投げる余裕がなかったのでしょう。慶應の中林投手は、直球と変化球の緩急と低めをつく丁寧な投球を見せてくれましたが、球数が90球をこえだした6回あたりからは球威の低下と制球のバラツキが否めなかったような気がします。マウンドも雨でぬかるんで、まともに投げられる状態ではなかったですから。両投手とも失点は多かったものの、よく最後まで投げ抜いたと思います。

さて慶應は初戦を突破し、2回戦は大会6日目(29日)の第3試合で、明日の第1試合(新田vs.福井商)の勝者と対戦が決まりました。正直な所、この両チームに関しては何も分かりませんが、今日見せてくれたような粘り強さを見せてくれれば、必ずや試合後に「塾歌」(NHKの中継では校歌となっていますが、正式には校歌ではありません)を再び聞くことが出来ると思います。今日の試合後の塾歌斉唱の際に、バックネット裏のお客様まで立ち上がって拍手をして頂いたのをTVで見て、すごく感激しました。ホント、あの瞬間は慶應にとって完全ホーム化していました、あの甲子園が。
打線は3〜6番は絶好調のようなので、その前後の打者、特に1, 2番打者の出塁が鍵を握ると思います。また甲子園で試合が出来るという喜び、幸せを感じつつ、プレーして欲しいと思います。