関東大学対抗戦A 慶應義塾大学vs.帝京大学@秩父宮ラグビー場

 


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先週の早稲田戦に敗れ、その翌日の筑波大学vs.日本体育大学戦が引き分けにならなかった段階で、大学選手権への出場権が消滅(22年ぶりの不出場)。今日の帝京戦が、Aチームの公式戦としては今シーズンの最終戦になりました。

 

 

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試合前のジュニアラグビースクールの子供たちと一緒に整列する様子。この後、塾歌を歌ってから試合に入るのですが、今シーズンは今日が最後なんだと思うと、こみ上げてくるものがありましたね。

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前半3分に自陣ゴール前でのペナルティから右サイドにFWでつながれて、あっさり先制トライを奪われた時には、「今日は結構点を取られるかも」と思いました。

 

しかし、その後、慶應が敵陣で試合を進める時間が増えていきました。前半9分に敵陣ゴール前での相手ボールのスクラムから、帝京が右サイドに回していったパスがミスとなり、ゴールラインを割るミスに。

 

そのミスによるマイボールスクラムから、相手のディフェンスの隙間を抜けて、No.8 濱野のトライで5点を返しました(コンバージョンは失敗)

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帝京は特に前半がそうだったのですが、ボールをつなぐ際のサポートが遅かったり、ハンドリングエラーが多かったりとミスが多く、ミスからのターンオーバーでチャンスを作っていきました。慶應は個々の選手のタックルがしっかりと決まり、帝京の個人技による突破をあまり許していなかったと思います。

 

濱野のトライの後、FL川合の突破による2トライを加えて、前半は19-7とリードして折り返し。ここ数年、帝京とは僅差の試合が続いていますが、まさか12点リードで前半を終えられるとは思いませんでした。

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前半はいい試合をしても、後半の途中でスタミナ切れしてから点差を離されるという試合は、今年に限らず強いチーム相手だとよくあるので、今日も前半終了時点ではリードしていても、帝京がこのままあっさり終わるとは到底思えなかったので、心配しながら見ていました。

 

後半早々、慶應陣での相手のペナルティから、SO中楠の好キックで敵陣深くに蹴り込み、相手ゴールラインから5mでのラインアウトラインアウトをきっちり確保し、モールに持ち込み、最後はHO原田が飛び出して、この試合での初トライから4連続トライ。コンバージョンは失敗しましたが、これで17点リード。

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後半6~7分あたりで、慶應陣右サイドでのマイボールスクラムを相手に奪われ、FWを中心に25フェイズつながれ、自陣ゴール前でのペナルティからのクイックスタートでさらにFWでの攻撃を畳み掛けられ、ゴール脇にトライされて、リードは10点差に。

 

相手に1トライ返された後、時間をおかずに、後半最初のトライと同じ形で追加点となるトライを奪えたのが大きかったですね。再び15点差に。この時点で残りは22~23分。

 

15点リードになった後、帝京にラックへの素早いサポートや個人技で2つのトライをあっという間に奪われて、一気に5点差。残りがまだ18分くらいあったので、全く安心できない点差になってしまいました。

 

後半20分以降は帝京のパス回しのテンポが上がり、後半30分にはゴール前でのピンチがあり(相手のノックオンでトライは許さず)、後半のロスタイムに入る間際に、帝京の11番に慶應陣右サイドを縦に突破された時は、最低でも同点にされる(トライを奪われる)ことを覚悟しました。

 

試合の終盤はピンチが何度もあり、追いつかれ、逆転されるピンチありましたが、何とか5点のリードを守り切って逃げ切り勝ち。

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今年初めての現地応援になった今月の4日、日体大戦でのまさかの敗戦に始まり、残りは明治、早稲田、帝京と強豪チームとの対戦ばかりだったので、正直なところ、「今シーズンは勝ち試合を一度も見ることなく終わってしまうのでは」と思っていました。

 

今年の帝京は昨年までの突出した力はないものの、来月の大学選手権に向けてコンディションを上げてくるだろうということで、慶應に勝ってほしいという思いはあったものの、厳しいだろうと踏んでいました。

 

ただ、前の早稲田戦の時もそうでしたが、もう後がない、そして今日はAチームでの今シーズン最後の試合ということで、全選手から1つ1つのプレーに対するひたむきさ、チームとしてのまとまりがすごく感じられ、選手個々がやるべき仕事をしっかりと少ないミスでこなすことができたことが、対抗戦での帝京戦9年ぶりの勝利につながったと思います。

 

対抗戦で前回勝ったのは2010年で35ー20での勝利。そして同じ年の大学選手権で再戦したのですが、7-38と完敗したのを皮切りに秋のシーズンでは全く勝てませんでした。(この完敗した試合は秩父宮で見ていました) 連敗が始まった試合を見ていただけに、今日の勝利は感慨深いものがありました。

 

今日の試合のマン・オブ・ザ・マッチは、前半に2トライをあげたVCの川合選手でした。記念撮影の時は笑顔でと言われて頑張っていましたが、最後にマイクを握って一言の場面ではこみ上げるものがあったようです。

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蹴球部のホームページの ラストシーズンに懸ける想い2019 Final | 慶應義塾體育會蹴球部 公式サイト にあった、「是非、帝京大学戦で熱い想いをぶつける一同にご期待ください。」のコメント。有言実行で我々の期待に応える結果を残してくれて、ありがとうございました。

 

今日の試合で、今シーズンのAチームの公式戦は終了。来週末にJr.選手権でのカテゴリー1残留をかけた筑波大学との大事な入れ替え戦が残っているので、副将としてもう少しの間だけチームを支えてほしいと思います。

 

今年は、塾高時代に花園に出場した4年生がごっそり抜けて、戦力がダウンしたと言われ、さらにW杯開催もあって、普段の年と少しスケジュールが異なり、それにうまくコンディションを合わせることができず、対抗戦は3勝4敗に終わって、大学選手権に進むことは出来ませんでした。

 

ただ、今日の試合のスタメンフィフティーンの中で、1年生と2年生が合わせて5人。前回の早稲田戦はニュージーランドからの留学生コンビが出場したので、7名。内5名が1年生でした。主将と副将を除くと4年生が例年に比べて少なく、来シーズンもチームに残る選手がたくさんいます。ヘッドコーチも2年目になるので、チームとしての完成度、パフォーマンスは今年より間違いなく上がると信じています。

 

来シーズンは、まずは大学選手権に復活出場すること、そして頂点を目指してほしいと思います。22年前に選手権を逃した後、その2年後には対抗戦を全勝優勝し、大学選手権でも頂点を極めました。近い将来、それを再現してくれることを期待しています。

 

慶應は残念ながら出場できませんが、来月中旬からの大学選手権。対抗戦からは明治、早稲田、帝京、筑波の4大学が出場します。是非とも来年の対抗戦からの選手権出場枠を5に増やせるよう、決勝戦は対抗戦のチーム同士、いや年を越す4チームは対抗戦で独占するくらいの意気込みで戦ってほしいと思います。今年は対抗戦の4校を応援します。

 

帝京大学は、故障者も出ているようで選手のやりくりも苦労しているようですが、早稲田、明治、慶應に3連敗して尻に相当な火がついているものと思います。大学選手権に入れば、連敗中とは全く別のチームかと思わせるようなチームに変貌してくれると信じています。帝京にとっては、順当に3回戦を突破すると、準々決勝の天理大学戦がまず最初の山になると思います。

 

今日は本当ならライオンズのファンフェスタに行くはずの日でしたが、母校の最終戦ということで、ファンフェスタを捨てて、秩父宮に行きました。観戦に来た甲斐があったなと思います。

 

試合前に涙、そして試合に勝って涙。夢に見ていたことが現実になった一日でした。